謎のマル秘メモは何処へ
店主とお店にいたある日の夕方、
洗い物を延々とやっている店主。
私はとにかく、何か忙しそうにしていないと、サボっていると思われちゃうから、
何か事務的なことで忙しそうな姿を装うため、私の趣味である、
「宝くじが当たったらどう使うかの計画表」
を書いていた。
電卓と鉛筆と消しゴムを用意し、ブツブツ言って電卓を弾く姿は仕事そのものだ。
また今回のビッグの
当選金が10億円だと聞いて熱が入った。
これが、なかなかどうして、
今までの人生の中で一番素晴らしい出来と言っても過言ではない計画書ができたので
満足感でニンマリしていた。
するとそこへ店主が、
もうあとは俺がやっておくから帰っていいよ。ご苦労さん。
というので、この計画書をバックの一番上に入れて、車の助手席に置き、家方向に運転開始。
鼻歌うたって運転中、車内の空気を入れ替えようとして窓を一瞬開けたの。
すごい風が
ブアーー!!ときて、うわっと思った瞬間、
びゅおぉぉ〜〜〜と計画書が強風で車外に飛んでいった。
さよなら、私の血と汗と涙の結晶・・・
あの計画表を拾った人は あれを見てどう思うだろう。
「当たった10億の内訳 マル秘 」と書かれた紙を拾った人の顔を想像しながら、
今日もせっせと餃子を作る私。
10億どころか10万円もないけど、
当選金の内訳表を作るのが、おばちゃんのいいストレス発散になるんです。