私に影響を与えたおばさんの話

ふくすけ

2015年04月18日 11:35

私が小学校五年生の時、友人の家で、友人一家が私の誕生日を祝ってくれたことがある。
この一家は、決して裕福な家ではない。
でも、心が大変に優しい一家で、人の子を自分の子のように愛情持って接してくれるのだ。

私の誕生日に用意してくれたケーキは、よく見かける150円くらいのスイスロールというロールケーキに、
おばさんが、生クリームや果物の缶詰のフルーツやキスチョコで飾ってくれた。
あとはカレーとマカロニサラダ。ハッピーバースデーの歌。
今思うと少ない予算で精一杯お祝いしてくれたんだなと思う。

私は子供だったし、よその家でこんなもてなしを受けて、充分なお祝いに心から感激していた。

ところがこのお祝いの最中で、この家の長男が、ママ、僕の自転車が壊れてしまって、
明日から自転車通学が出来ないから買ってほしい。という話になった。

この子は小学四年生。小学校が遠いから自転車通学しているんだ。

自転車はもうボロボロで修理不可能と自転車屋さんに言われてしまい、
自転車買わないと、明日からバス通学なのだという。

おばさんは、優しい顔で、びっくりすることを言った。

学校までのバス代は片道150円。往復で300円よね。
だったら2ヶ月間頑張って、1時間早くに家をでて、歩いて学校に行きなさい。
2ヶ月分のバス代で自転車が買えるわよ!すご〜い!!

私はこの発言に驚いてしまった。
普通の親は、すぐに新しい自転車を買って与えるだろう。
ましてやこの自転車は、通学のために使うんだよ!
こんなふうに他人の子供のお誕生会に使うお金があったら、自分の子供に使いなよ!!

と思って、私はショックだった。

夕方になり、私を送ってくれる車の中で、私はおじさんに思ったことをそのまま言った。
お祝いしてくれる気持ちはすごく嬉しかったけど、
明日から1時間早く家を出て歩いていくなんてかわいそうだ。
実の息子なのに、おばさんはどうしてすぐに自転車を買ってあげないんだろう。
って。

おじさんはこう答えた。
お金は大切なものだ。
小百合ちゃんの誕生日を祝うお金も、息子に自転車を買うお金も同じお金。
本当に必要なもののためなら、どうしても叶えたい夢ならば、
人はどんなに辛くても、苦労しても、お腹を空かしても、いろんなことを我慢しても大丈夫。
その後、叶った時の喜びは、その人だけが得られる大きな喜びになるんだ。

と言っていた。

あとで知ったんだけど、おばさんは、実はすごく裕福な家の娘で、
お金は全然ないけど心の優しいこのおじさんと、家の反対を押し切って結婚したらしい。
貧乏だが、貧乏を笑いに変えて、子供3人恵まれて、すごく幸せに暮らしているとおじさんは言っていた。

私はお金はないけれど、
旅行に行きたいとか、何かいつもより大きな買い物をする時、
じゃあそのために、これを何ヶ月、何年我慢して、その分のお金を貯めて実現しよう!
というように考えるのは、このおばさんの影響だと、さっきふと思った。


私は年に一度、海外に貧乏旅行に行きたいから、週に一日は、マルちゃんの焼きそばで済ます。
あと、肉なしカレーとか、肉なし野菜炒めとかやってね、
月に五千円積み立てて、実行しています。

目標のためなら、カレーに肉が入ってなくても幸せよ